この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
知人が,傷害事件により逮捕された。示談はできると思うが,対応おお願いしたいとの相談でした。
解決への流れ
受任後直ちに被害者の方と連絡を取り,示談を成立させました。被疑者は,傷害についてすべて認めていたことから,勾留される可能性は少ないと考えましたが,念のため,被疑者に被害者に接触しない旨の誓約書を書かせ,検察官に対する意見書(勾留をしないよう求める意見書)にその誓約書を添付し,検察庁に提出しました。ところが,検察官が勾留請求をし,あろうことか裁判所も勾留を認めたため,直ちに準抗告(勾留決定を取り消しを求める手続き)を行い,これが認められ,無事に身柄開放に至りました。
怪我の程度がよほど重大でない限り,傷害事件において犯行を認め示談も成立している場合には,勾留されないことが多いです。また,勾留されていたとしても,それらがそろうと釈放されることが多いです。しかし,このケースでは,犯行を認め示談が成立しているにもかかわらず,勾留されてしまいました。明らかに不当な判断でしたので,直ちに準抗告を行い,準抗告が認められた事案です。このケースのように,明らかに不当な判断がなされることは,ときおり起こります。不当な判断に基づく勾留は,重大な事件侵害ですから,弁護士が常に目を光らせなければなりません。被疑者が事実を認め反省していて,弁護人を付ける必要はないと思うようなケースであっても,このケースのような不当な扱いがなされている可能性がありますので,注意が必要です。