この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
Aさんは結婚当初から、夫BさんからのDVや暴言などのモラルハラスメントに悩まされており、離婚を考える日が続きました。ある日、Aさんはついに耐え切れなくなり、しばらく戻らないとの置手紙を残し、家を出て別居を始めました。Aさんは、これからどのように離婚の話を進めるべきかと悩み、当法律事務所に相談にいらっしゃいました。
解決への流れ
Aさんの離婚の意思は固く、離婚の方向で手続を進めることにしましたが、Bが協議離婚に応じる可能性は乏しいと思われませんでした。Aさんは、暴力を受けて怪我をしても病院に行かなかったため診断書はありませんでした。そのため、訴訟でAさんの望む離婚と慰謝料を獲得できるかどうか、Aの手帳の記載などを精査しました。その上で、Bに協議離婚の申入れをしましたが、案の定、拒否されました。Bの様子から、話し合いを続けても時間が経過するだけで無駄であると判断し、離婚調停申立て(同時に、婚姻費用分担調停も申立て)をしました。離婚調停は不調で終了し(婚姻費用は審判に移行し、適正な婚姻費用を得ることとなりました。)、訴訟提起をしました。訴訟でも、Bさんがかたくなに離婚に反対のため、和解による解決ができませんでしたが、Aさんの手帳などが証拠として採用され、Bの長年にわたる暴力、モラハラが認定され、離婚、慰謝料を獲得できました。
診断書がないケースでしたが、丹念に手帳の記載を説明するなどして、長年にわたる暴力とモラハラを認定してもらえました。たとえ夫婦間であっても、モラルハラスメントやDVという相手の人格を傷つける行為は当然許されるものではなく、被害者から相手方に慰謝料を請求することができるのは当然ですが、診断書がなくても、手帳など他の証拠で認定してもらえることがありますので、諦めないでください。