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「働きすぎは心も体も壊す」 月227時間の残業で「過労自殺」した青年の母親が訴え
2015年08月05日 18時52分

働きすぎによる突然死や自殺を防ぐことを国の責務とした「過労死防止法」が昨年11月に施行された。この法律が国会で成立したのは、昨年6月。新しい法律ができて1年が経過したのを記念して、「過労死ゼロ社会をめざして!」と題した集会が8月5日、東京・永田町の衆議院第一議員会館で開かれた。

過労死問題に取り組む玉木一成弁護士や、夫や子どもを働きすぎで亡くした遺族が登壇し、集まった参加者に過労死の悲惨さを訴えた。

「全国過労死を考える家族の会」の代表世話人で、夫を過労自殺で失った寺西笑子さんは、「過労死で夫をなくし、幼い子どもをかかえて途方にくれている人もいる。息子や娘を亡くした人は、生きる術さえなくしてしまう。本当に悲惨な現状があります」と語った。

働きすぎによる突然死や自殺を防ぐことを国の責務とした「過労死防止法」が昨年11月に施行された。この法律が国会で成立したのは、昨年6月。新しい法律ができて1年が経過したのを記念して、「過労死ゼロ社会をめざして!」と題した集会が8月5日、東京・永田町の衆議院第一議員会館で開かれた。

過労死問題に取り組む玉木一成弁護士や、夫や子どもを働きすぎで亡くした遺族が登壇し、集まった参加者に過労死の悲惨さを訴えた。

「全国過労死を考える家族の会」の代表世話人で、夫を過労自殺で失った寺西笑子さんは、「過労死で夫をなくし、幼い子どもをかかえて途方にくれている人もいる。息子や娘を亡くした人は、生きる術さえなくしてしまう。本当に悲惨な現状があります」と語った。

●「裁判で勝訴しても、納得いくはずもありません」

「東京過労死を考える家族の会」の古川美恵子さんは2010年、当時24歳だった息子を過労自殺でなくした。「飲食店の社員になった息子は、1年も経たないうちに店長にさせられ、長時間過重労働を強いられました」

亡くなる前の7カ月間で取れた休みは、有給休暇の2日間のみ。朝から深夜まで働かされ、残業時間は少ない月でも162時間、多い月では227時間に及んだという。厚労省が定める過労死ライン(80時間)をはるかに超える時間だが、残業手当は支給されていなかった。

「成果を求めるあまり、会社は、社員が働きすぎていても、おかまいなし。社員への安全配慮を怠った結果、最悪の結果になりました。裁判は全面的に勝訴しましたが、納得いくはずもありません。上司からパワハラも受けていたので、謝罪を求めましたが、拒否されました」

古川さんは「どんなに健康な人でも、度をすぎれば、心も身体も壊れます。これは決して他人事ではありません。国は『残業代ゼロ法案』を通そうとしていますが、法案がない今でも、こんなにひどい現状があるのに、通ってしまったら、過労死が増え、悲しむ家族が増えるのではないかと危惧している。命を大事にする社会になることを切に願っています」と語った。

●なぜ「長時間労働」がまかり通っているのか?

「全国過労死を考える家族の会」の顧問をつとめる玉木弁護士は「なぜ長時間労働をすることになるのか?」と問いかけ、残業代を支払わない事業所が、過労死を生み出していると指摘した。

「残業手当が支払われている事業所であれば、経営者はコストを減らすために、長時間労働を減らそう、そのためには仕事を減らそうという考えにつながるでしょう。ところが日本では、長時間労働をいくらしても、残業代が支払われないことも多く、コストに跳ね返りません。そのため、経営者が長時間労働を減らそうという発想がないんです。

いくら仕事をさせてもいいんだということで、どんどん仕事が与えられる。そうすると、責任感のある労働者の方は長時間労働をし、過労死につながっていきます」

玉木弁護士は「まずは、会社にきちんと法律を守らせる、こういうところから過労死を防止させていきたい」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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